anriokabe.com / 短歌を詠む

2022.10.02_2
じめじめとしている雨のじめじめとしている街をじめじめとゆく
そこらじゅう指紋だらけでしかしそのすべてが自分自身の指紋
むきだしのコンクリートに手をふれてみるとそこには冷たさがある
ベランダの避難はしごをおろしたらこの夢からもぬけだせるかも
屋根のあるところでみんな晴れるのを待っていました雨をみつめて
おてんとうさまは知ってる 僕たちがひとりぼっちで泣いていること
明日にはなくなっている感情の水たまりからうたがうまれる
2022.10.02_1
アナログの時計がすこしずれていてそのアナログの時間を生きる
もし好きな夢をみられるならみんなみているだろういつまでも夢
ため息でくもるガラスのすきまから反対側のひとと目が合う
感情のインストールにしくじった結果としての僕たちがいて
くちびるにメンソレータム塗りこんでうけとめている前からの風
トマトにもトマトの闇があるようで腐っていってしまうのでした
昨日よりすこし冷たくなっている空気のなかで息をしていた
2022.09.25_2
誰からも連絡のないアイフォンのバックライトで花をそだてる
僕はただ待ってたような気がします電車ではない何かのことを
昨日から迷子になったままでいる羽虫と僕のとんでいる部屋
この街はエンジンふかし続けるのやめたらすぐに置いてかれるし
ねこよけのペットボトルがならんでる住宅街をそろりとぬける
もともとは線の引かれていなかった大地に線をなぜ引きたがる
ぴったりと膝をたたんで浴槽におさまっているひとつの孤独
2022.09.25_1
公園のベンチで雲になりながらひとりの僕をみおろしている
信号をわたれなかった僕たちはみんな岸辺にとりのこされて
大丈夫だって思える日もあるしそう思えない日もありました
前かごに乗って背中をまっすぐにのばして道をまっすぐに犬
ぐるぐると山の手線をまわったらバターにだってなれるだろうさ
パソコンのデスクトップに青空がひろがっていてそこに行きたい
カーテンをひらいてみても広がってくるのは壁と壁いろの空